Radiopetti(邦題:おじいちゃんのラジオ)
「Radiopetti(邦題:おじいちゃんのラジオ)」
《あらすじ》
70歳難聴のおじいちゃんが大切に持っていたのは、彼が小さい頃父に買ってもらったラジオ。ある日反抗的な息子が「電気代が高くなる」とおじいちゃんのラジオを壊してしまう。このことからPTSDとなり、おじいちゃんは耳の中でラジオの音が聴こえるようになる(音楽幻聴) 。
タミル映画、舞台はポンディシェリー。
監督のHari Viswanathが、祖父がラジオを大切にする様子を見て、もしラジオがなくなったら祖父はどうするだろうと想像してこの映画を作ったみたい。
比較的短い映画なので、ポンディシェリーの街並みや音楽を楽しむためにみるのも良いかもしれない。
息子に大切なラジオを壊された時におじいちゃんが流す一筋の涙にもらい泣きしそうになった。「わしがラジオで聴いているのは両親の声だ」と話すシーンは印象的。
また、音楽幻聴の治療をしないことについて友人や家族から色々と言われるシーンでも「このままの方が幸せ」と話す。
とにかく息子、息子の妻の態度が胸糞悪い。最後まで映画をみて、おじいちゃんと息子が和解するシーンがあれば救いがあったのになあと思った。
息子の娘(おじいちゃんの孫)が交通事故にあった後、息子が「(おじいちゃんと)一緒にいるのは危険だから母を引き取りたい」と言い出すシーン。ここでおじいちゃんの妻が「わたしは夫に寄り添いたい」と言った時涙が出そうになった。
息子がどうしておじいちゃんに対して辛く当たるのか理由が知りたくなったし、おじいちゃんとおじいちゃんの両親の関係についても知りたくなった。
おじいちゃんの音楽幻聴を心配する友人が、治療をしないおじいちゃんに対して「他人はどう思うか?みんな心配してる」と言うシーンがある。
この友人、『実は結婚しておらず孫も居なければ、倉庫を間借りして暮らしている』ことを隠して嘘をつきながら生きてきた。
「他人はどう思うか?」という台詞はこの友人自身が常に心配していることだったから出た台詞なのかなと思った。