payasamhanakoの日記

インド映画とNetflixの感想。ICSIの備忘録。

運命の子供達(原題:Daughters of Destiny)

「運命の子供達(原題:Daughters of Destiny)」

〈あらすじ〉

アウトカーストに生まれた子供へ無償の教育とインドの慣習やジェンダーに捉われない自由な未来を考える機会を提供するシャンティ・バヴァン(Shanti Bhavan)を舞台に、成長する子供達を追ったNetflixオリジナルドキュメンタリー。従来のアウトカーストの家族が背負う宿命を変える力を培い、子供達はインドの未来を背負って生きる。

f:id:payasamhanako:20180723164435j:image

 

原題「Daughters of Disteny」にある通りこのドキュメンタリーで焦点が当てられているのは女子。女性への教育の必要性だけでなく、男友達と一緒に街を歩くことで社会から向けられる目線、伝統的な婚礼問題などインドでの女性軽視や社会問題ついても映し出される。また、男子生徒へのジェンダー教育の場面も映っており印象的だった。

f:id:payasamhanako:20180723164445j:image


4歳で入学し親元を離れて教師や寮母たちに大切に育てられる子供達。シャンティ・バヴァンでは学校教育を全て英語で行う。また、インドの慣習やジェンダーに捉われない思考を教わる。よりグローバルな価値観や倫理観を培った子供達が、20歳を過ぎてありのままのインドの世界に戻っていくと葛藤が待っている。あらゆることから守られているシャンティ・バヴァンの外は、言い方は悪いけど無法地帯のよう。はじめ家に帰りたいと思っていた子供達が成長するにつれ学校から出たくないと言うようになる。年に2回の帰省の度に現実を突きつけられる子供達の姿をみると、シャンティ・バヴァンの教育によって培われる価値観や倫理観と、現在のインドで一般的とされるそれのギャップがあまりに大きいのではないかと思いフォローの必要性を感じる。このギャップはインドの未来を考えると必要不可欠なのかもしれないけど、育った環境と全く違う価値観の世界へ投げ出される子供達をフォローしないと、せっかくの努力が水の泡になってしまいそうですごく心配になった。

それから、学校教育へのフィードバック、社会貢献、家族を背負うという課題と付き合っていかなければならないのはかなりの重圧だろうなと思う。シャンティ・バヴァンを卒業したら自分の人生を奨学金のように学校に返済し続けるみたいにみえてそれはそれで大変だなと思った。よっぽど奨学金を返済する方が終わりが見えていいかもしれないとも思った。


この教育を受けられたことが善いことと断言出来ない子供がいることも事実。シャンティ・バヴァンは各家庭から1名しか通うことができない。(ここの選定システムについてはよくわからなかった。)このため生徒の兄弟姉妹はシャンティ・バヴァンに通いたくても通うことができない。シャンティ・バヴァンへ通う姉への嫉妬により人生を狂わされた妹が自殺するに至ったエピソードがあった。

また別の家庭で、公立学校に通っていた姉が中退し家でマッチ箱を作る内職をしているというエピソードがあったが、シャンティ・バヴァンに通う妹が帰省する度に姉妹の明暗がはっきりしているようでみていて辛かった。言動や表情も怖いくらいに違って、お互いどういう感情を抱いているのかと心配になった。何事も善し悪しがある。


綺麗事だけど、全ての子供が自分の希望する教育を受けられて、自分の未来を自分で決めて、人生を楽しめる環境で生きることができたら素晴らしいのになと思った。みてる間ずっとこのドキュメンタリーによってドネーションが集まるといいなあと思ってた。


シャンティ・バヴァンプロジェクトのホームページからドネーションできるみたい。

http://www.shantibhavanchildren.org