はな子日記

インド映画とNetflixの感想。ICSIの備忘録。

歩み寄るイスラエルとパレスチナ(原題:Disturbing the Peace)

「歩み寄るイスラエルパレスチナ(原題:Disturbing the Peace)」

〈あらすじ〉

終わりの見えない戦争に疲弊したパレスチナイスラエルの元兵士や自爆テロを計画していた人物らが団結し、非暴力による平和の実現を訴える姿を追うドキュメンタリー。

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両国の政治や宗教的な関係性を知るためのドキュメンタリーというよりは、両国の人間が互いの国に対してどういう感情を抱いているのか、人間として現状をどう感じているのかを知るためのドキュメンタリーだった。今回はパレスチナについて知るためにみた。

国のために自爆テロを計画して投獄された女性が看守の対応に感銘を受けて初めて相手の立場からものを見ることを知ったエピソードが面白かった。国や宗教、人種や政治的なフィルターを通して相手をみるのではなく、ひとりの人間として相手のことを考える。これって難しい。平和な日本で暮らしてたって何かのフィルターを通して相手を見て、勝手に敵だと思い込むことは日常的にある。ましてやこの両国においては互いに大切な人を殺し合い憎みあってる背景がある。こんな背景がありながら冷静な姿勢になれるよう努力することは凄いことだと思った。

「戦争を生むのは人間だから戦争を止められるのも人間だ」という言葉にハッとさせられた。当たり前だけど戦争って天変地異のように人間の意思に関係なく勝手に始まるものじゃない。少しずつ歯車が狂って次第に関係がこじれていき状況がより悪い方へ向かう。人間関係が悪化する過程って大体こんな感じだ。

「物語を始めたのが夫婦だとしたら、それが親戚に広がる。そして村へ町へと広がっていくさらに国へ宗教へ。そして大陸へ世界へと。そして人間性へたどり着く。そこまで広がれば我々の問題はすぐ解決する」この言葉も印象に残ってる。初めに声をあげることがどれだけ難しいか。平和の実現のため行動する勇気のある人々がいることが救いだ。

歌声にのった少年(原題:The Idol)

「歌声にのった少年(原題:The Idol)」

〈あらすじ〉

ガザで暮らすムハンマドは美しい歌声の持ち主。姉と一緒にバンドを組み歌手になる夢に向かって努力していた時、姉が腎不全により病死した。自分の歌声を評価してくれた姉との約束「スターになって世界を変える」ため、ムハンマドは国境を越えエジプトで開催されるコンテストに参加する。

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パレスチナ映画、Amazon prime videoでレンタル。ストーリーは理解しやすい。ガザの街並みや瓦礫の山などバックに映る風景も勉強になる。エジプトを繋ぐ地下道を使えた頃の小遣い稼ぎの様子や厳しい検問所の様子などがわかり勉強になる。(なにせパレスチナの知識がない)

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大問題なのがわたしは美声の持ち主と言われてるムハンマドくんが美声なのかわからなかった。コーランの誦唱を聴いたことがないから比較できないし、歌い方?が独特でよくわからなかった…。インド映画をみ始めた頃も文化がわからず「???」となりながら映画をみてたのを思い出す。たくさん映画や動画をみて勉強して文化を知って慣れるしかない。

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ガザの美容室(原題:Degrade)

ガザの美容室(原題:Degrade)」

〈あらすじ〉

美容室を舞台に戦時下のパレスチナ自治区ガザで生きる女性達の日常を描く。

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パレスチナ、フランス、カタール合作映画、監督はガザで生まれた双子の男性Arab NasserとTarzan Nasser。平和な日本でのうのうと暮らしておいて何を言ってるんだと当事者からは思われてしまうかもしれないけど、ガザに住む女性を体験した。美容室の中での女性の会話が中心の映画で、みている内に自分も順番待ちをしている女性になったような気持ちになる。長い待ち時間にイラついて店員や周りに当たり散らす人に腹がたち、銃声や爆撃の音に緊張し怯え恐怖を感じた。壁を隔てた向こう側には戦火が広がり、銃声や爆撃の音が鳴り響き、運が悪ければ自分も大切な人も死んでしまう。ガザだけでなく紛争がある地域に住む人々はこういう日常の中で生きてるのかと思うと辛すぎる。

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脱毛担当のスタッフが仕事中何度も何度も恋人に電話をすることが不快で気になったけど、自分が戦時下に恋人が危険に晒されてる状況で仕事をしている人間の心情を想像したこともなかったことに気が付いた。今ならあの状況に置かれたら恋人に安全なところにいて欲しい、安否を確認したいと思うのは自然なことだと思う。

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離婚調停中の女性とDVを受けている女性この二人がかなり狂ってた。不愉快な人間だと思いながらみてたけど二人には二人の背景があって、人を不愉快にさせる行動をしないと自分を保っていられないんだろうなと思うと辛くなった。離婚調停中の女性は下品で自分勝手。DVを受けている女性は薬物(何の薬物かは不明)に依存し、精神状態が異常だった。出てくる言葉のほとんどが人を攻撃するような言葉で驚く。この映画、女性達の会話の内容はほぼ男性への愚痴や苦言。パレスチナでの女性の地位がどんな感じなのかわからないし、戦時下の緊張状態での人間の心情はわからないけど一部女性として共感できる感情はあった。

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イスラムユダヤの文化がわからずライオンの下りにどんな意図があるのか理解出来なかった。もっとたくさん知らなきゃいけないことがありもっとたくさん勉強しないといけないと思う。今年はインド映画ばかりじゃなくて色々な国の映画をみたい。

 

追加

パレスチナガザ地区はなぜ「世界最大の監獄」になったのか?|ゼロから問題を解説 https://courrier.jp/news/archives/89156/

ガザについてこの記事がすごく理解しやすかった。

 

移植周期(自然周期) D18(移植日)

《移植周期(自然周期) D18(移植日)》


E2 286

P4 13.0


採血でホルモン値問題なく予定通り移植。判定日は1/19。

内膜11mm、胚盤胞の総合評価はA(胚盤胞になった時間:96時間、最終観察までの時間:114時間、アシステッドハッチング:あり、大きさ:185μm、形態的評価:良い)だった。総合評価の妊娠率をみると期待してしまう。

今回で移植は5回目、今までは落ち込むのが嫌だから期待しないようにしてたけど潔く期待してみようかなと思って帰りに鬼子母神に寄っておみくじ引いてみたら末吉で笑った。日々神なんかいねえ!と思いながら生きてるのにこんな時ばっかり都合よく来るなよ感がすごい。

受付後採血をして医師とのお話が終わってから再受付まで時間があったから野村ビルのハシヤでランチした。たらこスパゲティを美味しく食べたんだけどKLCに戻ってから胃が痛くなった。最近胃がクソザコなのに大量のバターを摂取したからまた胃を痛めたんだな…。予想外に踏んだり蹴ったりで面白すぎる。

ハシヤに行く途中東京に初雪が降った。わたしの生まれた日も雪が降っていたんだったと思いなんかエモかった。雪降ったけどそこまで寒くなくてよかった。

なるようになるだろうから映画みて楽しく過ごしたい。

Hindi Medium

「Hindi Medium」

〈あらすじ〉

デリーで服屋を営むRajとMita夫婦は娘を最高水準の学校へ入れるためお受験戦争に挑む。学校に近い高級住宅街へ引っ越し、受験する学校に相応しい金持ちを装うが受験資格を得られず。2人が次に目をつけたのは低所得層の子供を待遇する受験枠だった。貧民街へ引っ越し、優しい住人の助けを借りながらやっとの思いで受験枠をゲットするが…

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とても面白い映画だった。インドのお受験文化とか階級と所得とかそこらへんの知識があると5億倍楽しめたんだろうなと思いながらみてたけど、無知でも楽しめた。

セレブを装ったり貧民を装ったり状況に応じてカメレオンみたいに身なりを変えていく夫婦が面白かった。セレブを装っていた時は身の丈にあった振る舞いができず周囲から浮き、貧民を装っていた時はついピザとか頼んじゃってドン引きされと夫婦が受験のために七転八倒するところが見どころの一つ。話が進んでいくとお受験の闇が見えてきてそこで夫婦がどう動くかってのがもう一つの見どころなんじゃないかと思う。

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成金姿の夫婦がめちゃくちゃ面白いしバックで流れてる音楽も面白い。Rajがちょっと頼りないすっとぼけた夫、Mitaがパニック持ちの神経質な妻、夫婦ともに割となりふり構わない上昇志向ってキャラ立ちが面白くてとても楽しめた。程度は違えど、自分達や子供の人生のためがむしゃらに何かに取り組むってすごくリアルなテーマでみていて共感できるところも多いのでは。

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妻Mita役Saba Qamarはパキスタンの女優みたい。みる前Tabuだと思ってた。キリッとしてるけど可愛らしさがある素敵な女優だった。

ちなみにIrrfanが早口なタイプの映画だから字幕は一部豪速。読ませる気無し。

ミルカ(原題:Bhaag Milkha Bhaag)

「ミルカ(原題:Bhaag Milkha Bhaag)」

〈あらすじ〉

400m走世界記録保持者、フライング・シクことミルカ・シン。走ることで人生の困難に立ち向かった、彼の背負った半生を描く。

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すっごく面白かった。いろんなボリ映画でミルカネタが出てくるから必見だと思ってたけどこれはインド映画好きだけでなくスポ根ドラマとして全映画好きにおススメしたい。オリンピックでゴール直前に振り返ったことが原因で金メダルを逃したエピソードが導入にあり、彼の半生を幼少期・青年期・現在の3段階を行ったり来たりしながら振り返り、ラストは試合で自分の過去に打ち勝つという構成が激アツ。「Bhaag Milkha Bhaag」のBhaagは走れという意味で劇中に何度も出てくる。

ミルカが主役だけどミルカを取り巻く主要人物(姉、旧友、コーチ、恋人)にもスポットが当たっていてそれぞれの物語があるのがとても良かった。音楽や演出も良く、印パ関係を描きながらも比較的ポップでテンポが良いのでみやすい(重めのテーマだけど敷居は低め)と思う。

包帯をなびかせて走るシーンやインド代表ブレザーを着て姉に会いに行ったシーン、金メダルをコーチに渡すシーンが印象に残ってる。字幕がすごく良いと思ったら松岡環さんだった。松岡さんの字幕は特に歌詞の字幕の情報量が多くて素晴らしい。日本で作られた円盤はメイキングにもちゃんと字幕がついてて嬉しいなあ!(インドの円盤はメイキングに英語字幕すらついてない)

ミルカのメイキング、俳優陣とお馴染みの振付師と脚本家がすごく面白いのでおすすめ。脚本家突然歌い出すしポエマーだからやたら綺麗なこと言い出すしでゲラゲラ笑ってしまった。Sonamがピエロになってニコニコしてるとこだけで大満足、圧倒的感謝。

劇中武井壮が日本の選手役で出てくるそう。インタビュアー?レポーター?がちゃんと日本人なのも良かった。