Paheli
「Paheli」
〈あらすじ〉
商人の息子Kishanlalと結婚したLachchi。新婚生活が始まると思いきや、彼は仕事のことばかり。挙げ句の果てには仕事のために5年間家を離れると言い出す。彼が家を出たさびしさと悲しみにくれたLachchiの元に、彼女に恋をした精霊がKishanlalそっくりの姿で現れる。自分はKishanlalではないがLachchiを愛しているからこの姿になって来たのだと真実を告げる愛情深い精霊に惹かれ、彼女は恋に落ちる。数年の時を幸せに過ごし、二人の間にはひとりの子どもが出来た。Lachchiが産気づいた頃本物のKishanlalが帰宅する。
FANと同じくSRK一人二役が気になってみた。
Paheliはヒンディー語でパズルという意味みたい。終始ほんわかした雰囲気でかわいいファンタジーではあるけど、オチや設定が結構スリラー。
ラジャスターンの風景や衣装、ダンス等が美しい。ラクダレース?のシーンも見所かもしれない。メイキングでは暑いラジャスターンでの撮影の様子がみられる。
Amitabhが少し出てくる。とてもいい役。
Raniはほとんど泣いてたような気がする。夫がいなくなって悲しくて泣いて、精霊に愛されて嬉しくて幸せで泣いて。ラジャスターンの赤みの強い衣装がとてもよく似合っていた。Raniの瞳すごく綺麗で前から気になってたんだけどヘーゼルでいいのかな?
FAN
「FAN」
〈あらすじ〉
デリー生まれのGauravはボリウッドスターAaryanの大ファン。街の隠し芸大会でAaryanのモノマネをして優勝し賞金を手にした彼は、Aaryanの誕生日に彼に会い優勝トロフィーを見せるためムンバイへ。当然大スターAaryanの現れた場所には大勢のファンが集まり、Gauravは彼に気づいてもらえなかった。どうにかして直接彼に会うため何かできないかと考えていた時、ニュースでAaryanと喧嘩をしたという若手俳優を目にした。Gauravはファンを装い若手俳優に気に入られると、控え室で彼を脅しAaryanへの謝罪動画を撮影する。Gauravはこの動画を世に流すことでAaryanの名声を高められ、自分は彼から感謝されるものと思っていたが、当然犯罪行為であり彼の通報により逮捕されることになる。自分はAaryanにとって特別な存在であり、自分がいなければ彼も存在し得ないと思い込んだ一人のファンの行動はさらにエスカレートしていき…
スターに心酔したファンが自分の期待を裏切ったスターを受容出来ずに、どんどん壊れていくサイコだけど悲しい映画。
ファンGauravとスターAaryanどちらもSRKが演じる。特殊メイクとVFXにより絶妙なそっくりさんになったSRK、アクションやクロアチアの美しい景色も見所。
今年みた映画の中で暫定1位、最高。インド映画やSRKを知らない人にもみてもらいたい。
FANの見方はGauravのファン心理に感情移入する人とAaryan災難だ逃げて!という人に分かれるみたいで面白い。わたしは完全にGauravに感情移入してたから最後悲しくてわんわん泣いてしまった。Jabra songのこのシーンも泣ける。
メイキングもおもしろくて、視覚効果担当のGregがGauravを造る際に「若い頃のSRKのままでなくそこから更に手を加えたいと考えた時、スタジオ内を見回したらプラピのヘッド(頭部模型)があり、これいけるんじゃね?と思ってSRKの頰~輪郭をブラピのその形に修正したらいい感じになった」というようなことを言っていた。(かなり意訳)
また、SRKが「Gauravの走り方は彼がAaryanファンというところからSRKが過去に演じたキャラクターの走り方を意識した走り方になった」というようなことも言っていた。(これもかなり意訳)
Jabra Song | Fan | Shah Rukh Khan | Nakash Aziz youtu.be/d4_szl5EEww
これ劇中で流れるのかと思ってたらプロモーションに使っただけだったんだ。特典映像にヒンディー、パンジャーブ、テルグ、タミル等インドで比較的話者の多い言語でこの曲の吹き替えが入ってた。
FANのDVD字幕が英語、アラビア語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ヒンディー語の6種類も入ってて驚いた。なんとなく英語かヒンディー語字幕しかないのが普通だと思ってた。
Chandni Bar(邦題:哀しみのチャンダニ・バー)
「Chandni Bar(邦題:哀しみのチャンダニ・バー)」
《あらすじ》
暴動で両親を亡くした少女は母方の叔父とともにムンバイへ移り住む。叔父の推薦によりいかがわしいバーで踊り子となると、その美しさからすぐに人気者となる。娘の稼ぎが増えるほど叔父の怠慢は目立つようになる。その頃店の常連客であったヤクザの男が娘に一目惚れする。娘を持ち帰り行為に及ぼうとするが、娘は無反応であった。これに腹を立て過去について問うと、娘が叔父にレイプされていたことを知る。激昂した男は叔父を射殺する。娘は男と結婚し、バーの踊り子を辞める。幸せなひとときを過ごすが…
どこまでも救いのないドラマ。たまにある小さな希望がどんどん潰れていき、負の連鎖を断ち切るために努力してきた娘は最後まで報われないっていう一貫している展開がとても良い。
テンポはあまり良くないし、どんよりしてるからかなり休憩を挟みながらみた。特別エグいとか、辛いとかいうことは無いんだけどずっと曇り空が続くような暗い映画。
ヒロインTabuが美しい。序盤のメイクが可愛かった。確かに眉の下にハイライトを入れることはあるけどゴールドのグリッター、攻めてる。
Rajpalさんがとてもいい役だった。
Dharam Sankat Mein(邦題:信じる心、危機一髪)
「Dharam Sankat Mein(邦題:信じる心、危機一髪)」
《あらすじ》
ヒンドゥー教徒として育った男は、とあることから実は自分が養子で、父親はムスリムであったと知る。実の父が入院しているという病院へ行くと、ムスリムになってから出直してこいと言われ…
ヒンドゥー教徒とは、ムスリムとは、信仰とは何なのか、男の宗旨替えを通して考える。
OMGと製作陣が同じよう。OMGと根本にあるものは同じだけど、この映画ではヒンドゥー教とイスラム教がメインに描かれていた。
Paresh Rawalがまたいい味を出してる。ジュガールというかとんちというか、機転を利かせて難を逃れる役が本当に似合う。相手を小馬鹿にしたような態度や本当に驚いたような顔、全てが魅力的な演技。
ボリウッド映画では、ほとんどの登場人物がヒンドゥー教徒として描かれているように思う。目上の人への挨拶、登場人物の衣装、結婚式、困った時の神頼み、歌詞にもヒンドゥーの神様の名前があがる。そのため、ボリウッド映画をみているだけでもある程度はヒンドゥー教徒とはどういう挨拶をするのか、どういうお祈りをするのか、どんな神様がいるのかなどを知ることができる。
この映画ではヒンドゥー教徒からムスリムへの宗旨替えが描かれており、ムスリムの挨拶、お辞儀の作法、発音やイスラムの5つの義務などについて主人公と一緒に少しだけ知ることができる。これがとても新鮮で面白かった。
特にムスリムの挨拶において「アッサラーム・アレイクム」と言われたら「ワレイコム・サラーム」と返すことについて、「どうしてナマステと言われたらナマステと返すのにこっちは同じじゃないんだ?」と主人公が疑問に思うシーン。これがとても面白かった。
序盤に主人公がヒンドゥー教の導師から「真実は正しいのだ」と言われるシーンがある。この直後にまた「正しいものは真実だ」と言われる。これを踏まえて主人公が「真実なのにどうしてわたしは正しくないのですか?」と導師へ問いかけるシーンがある。
また、ムスリムによるテロがあった夜、主人公がムスリムの友人の元へ行くと「何かテロがあるたびに我々が責められる。なぜ生まれた瞬間からそこまで我々を嫌う?」と友人が問いかけるシーンがある。
こういう真っ直ぐな台詞が多いのもこの映画の魅力の1つだと思う。人間を宗教でくくって、マイナスの先入観を持って関わることはおかしいことだとみんな理解しているからこそ響く言葉だと思う。
Bhoothnath returns
「Bhoothnath returns」
《あらすじ》
霊界に戻ってきたBhoothnathは『子供を怖がらせることが出来なかった』と霊界の住人たちから笑われる。リベンジのため再び人間界(インド・ムンバイ)に戻るがまたしても子供達を怖がらせることが出来ず。その場にいた自分を見ることができる少年の助けを借り、子供達を怖がらせることに成功する。仲良くなった少年と地縛霊の除霊事業を行なうと、贈賄によって選挙票を得ている悪徳政治家の正体が明らかになる。本当に大切なことは何かを伝えるため、Bhoothnathは選挙に立候補する。
Bhoothnathの続編。SRKとRanbir Kapoor、Anurag Kashyap監督がカメオ出演 している。SRKは前作のBankuの父役で出演している。
悪徳政治家役Boman Iraniはあまりコメディ色強くなく、ど直球に悪どい演技をしている。
前作と違う設定はBhoothnathの姿を見えない人にも声は聞こえるという設定。これにより、声を録音したり姿のない幽霊が演説したりする描写が可能に。
選挙が話の中心となっており、思っていたよりもシリアスな内容になっている。政治や貧困、レイプ、テロなどについても少し取り上げられている。
Dharavi Rap Full Video Song l Bhoothnath Returns l Amitabh Bachchan
少年の住む地域がスラムであり、ムンバイのスラムの様子が描かれている。少年がスラムの狭い街中を逃げ回るシーンは、見てるこっちまでどこかにぶつからないか、行き止まりにならないかと心配になるほどの迫力。
選挙のシーンで皆んなが爪についたインクをみせるシーンがある。どうやらインドでは、投票に行き本人確認が済むと二重投票防止のため指~爪に色素を付けるところがあるみたい。ここに詳細が書いてある。
爪は投票の証 http://india-insight.com/articles/1177
インドに限らず二重投票防止にインクを付ける国はあるみたい。
WikipediaのElection ink https://en.m.wikipedia.org/wiki/Election_ink
特典映像でADがRanbirの側でカチンコを鳴らす時にさりげなく"I love you."って言う企画が入ってて、AD本人も周りのスタッフもみんな照れて爆笑してるのが面白すぎる。Ranbirのスマートな対応がカッコいい。
Bhoothnath Returns Assistant Director Has Crush On Ranbir Kapoor | Exclusive Video
Bhoothnath
「Bhoothnath」
《あらすじ》
ゴアの幽霊屋敷に引っ越してきた家族。そこに住む幽霊Bhoothnathは、思い入れのある我が家に他人が住むことを嫌がり子どものBankuを怖がらせようとする。しかしBankuは、母の『幽霊なんていない』という発言を信じこみ全く怖がらないどころか悪知恵を働かせて幽霊をこき使う始末。次第にBhoothnathとBankuは仲良くなり良い友達になる。
子役がとてもかわいい、ホラーコメディ。ホラーと言っても怖いシーンやびっくりさせるようなシーンは無し。序盤だけ雰囲気がホーンテッドマンションみたいだった。
「Bhooth」はHindiで幽霊のこと。Amitabh演じるBhoothnathと子役の演技にほのぼのする。SRKは父役だけどほとんど出てこない。全編通して本当にAmitabhと子役がずっと画面にいるという感じ。
劇中に子役だけのミュージックビデオがあって新鮮だった。こういうのは初めてみた。
Hum To Hain Aandhi [Full Song] Bhoothnath
子役がとにかくかわいい。悪知恵の働く割と小憎たらしい役なんだけど、Bhoothnathとの友情や信頼関係がしっかりと描かれているので要所要所で涙が出ちゃう。
特に病院で許しを請うBhoothnathに対してBankuが「自分で遊んでて階段から落ちちゃった」と言うシーンがジーンときた。この直前、BhoothnathがBankuのいる病室に向かう途中で、病院にいる患者たちが「幽霊のしわざだ」と話してるのを聞いてしまう描写がある。これによってBhoothnathがより強く自責の念にかられることになったことがわかる。
Angelという呼び方にもやっぱり前振りがあり、母がBankuに幽霊とAngelについて説明する場面がある。前編はこんな感じに丁寧に関係描写があり素晴らしかった。
後編は話に動きが出てくる。Bhoothnathの家族の話、特に息子との関係の話がメインになる。後編開始直後にBankuのライバルが井戸に落ちるエピソードがある。ここら辺から「forgive」が連呼され、最終的にBhoothnathと息子の関係修復につながって行く。
また、どうしてBhoothnathが幽霊屋敷に固執しているのかについても明かされる。
劇中に出てくるAloo ka Parathaがとても美味しそうだった。芋と小麦でかなり腹にたまりそうだけどあんなにお代わり出来るのだろうか。食べたい。
http://foodviva.com/north-indian-recipes/alu-paratha-recipe/
Yamla Pagla Deewana2(邦題:ナッティ・ルーニー・クレイジー2)
「Yamla Pagla Deewana2(邦題:ナッティ・ルーニー・クレイジー2)」
《あらすじ》
バラナシで宗教家に扮して詐欺を働く父と息子。イギリスからやってきた実業家を騙し、息子は金のために実業家の娘と婚約することに。ところが一家がイギリスに行ってみると、娘は実業家の実の子ではないことがわかり…
YPDの続編マサラムービー。役者はぼぼ続投、親子設定はそのままに婚姻関係などはリセットされている。
今作はスモウレスラーなどの日本ネタもあり。「もしもし、横綱スピーキング」なんて台詞も。ヒロシマ・ナガサキが敵の人名になっているので、こういうタイプの日本ネタが苦手な人は要注意かもしれない。
舞台がイギリスに移り、前作と比べ全体的に今風になっている印象。ダンスや音楽も今風になっていた。だけどコテコテのコメディ色は残っていて、特に序盤の70年代ボリウッド風恋のアプローチ作戦のところなんか大喜びしてしまった。あとはBGMの使い方が最高。
イギリスロケもあり前作よりもあきらかに金がかかってそうだけど、あまりまとまりがなく少しダレる場面も。謎のオランウータンが出てくるけどあまり活かせていない感じがした。
YPDシリーズの良いところは頭を使わず気楽に楽しめる娯楽なところ。あとはSunny Deolがくまちゃんみたいでとてもかわいいところ。